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ポワンカレに挑む絶滅カエルの冒険家 [雑感]

こないだ途中からこの番組を見たのだけど、
すごく面白かった。
ポアンカレ予想に取り組んだ数学者たちの話。


ポアンカレ予想・100年の格闘 ~数学者はキノコ狩りの夢を見る~ [DVD]




タイトルがくすぐる。
ポアンカレ予想を証明した
グレゴリ・ベレリマン博士の趣味が
キノコ狩りなんだそうだ。

この博士は、少年時代は笑顔の少年と記憶されるほど、
頭脳明晰、明るい天才少年だった。
ポアンカレ予想にはまって、
この難問を解いた後、社会と断絶する。

このドキュメンタリーの最後、
幼い頃の恩師が、
もう一度社会とかかわるべきだと、
博士の自宅をつきとめて、
諭しに行くのだが、断固拒否される。
会うことすらかなわなかった。

ソレを見ていて、
釈迦の梵天勧請を思い出してしまった。
釈迦が悟りを開いたあと、
こんなこと話しても
到底わかってもらえないからもういいやと思っていたところに、
梵天様がやってきて、
そんなこと言わずにその教えを人々に広めなさいよ、
と促すお話だ。

僧侶の南直哉氏が、
評論家・宮崎哲弥氏との対談のなかで、
こんなことを言っていた。

釈迦は35歳で悟りを開き、
たぶん死のうと思ったんじゃないかって。
それでまあ、梵天勧請を受けて、
語り始めるのだけど、
80歳で亡くなるまでの間、
釈迦にとって生きることは
「苦」でしかなかっただろう、と。


宮崎哲弥 仏教教理問答




博士が社会に参加すべきだと、
恩師は強く訴えていたけど、
それを見ながら、
この恩師が、自分の主張を
全肯定できるのは何故なのかと考えてしまった。
正直よくわからない。

それはさておき、
決して語られない知恵や知識が、
どこにも公開されず
誰かの脳みその中だけに埋まっている。
そして世界中に点在している、かもしれない。

博士が論文を最初に発表したのはネット上だったそうだ。
誰かがソレを見つけ、検証をはじめた。

絶滅したと思われているカエルが、
え、道端にいるじゃん!
というのに似たドキドキ感がある。
生きた化石、パレスチナイロワケガエル
ニホンカワウソも
ニホンオオカミもいるんじゃないか!?
ツチノコだっているかもよ、というのに似ている。

だけどヒトに認識されて、共有されなかったら、
その真実はこの世になかったことと同じ、
でもある。

だからヒトは探すんだろうが、
同時に探して見つからないことが、
ゴマンとあればいいとも思う。

博士は、噂によると、
次の難問に挑んでいるそうだ。
数学者っていうのは、
冒険家みたいなものだな。

そして冒険っていうのは、
もっともヒトらしい行動なんだろうなぁ。

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